物を噛むと痛む?咬合性外傷?②│国分寺市の歯医者「こばやし歯科医院」

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物を噛むと痛む?咬合性外傷?②

咬合性外傷の治療法

1) 咬合調整と歯冠形態修正
咬合調整とは、外傷性咬合を是正することによって、咬合時の歯周組織に加わる咬合力の負担を軽減し歯周組織の炎症を鎮静することでです。歯を選択的に削合することによって、咬合力を多数歯に均一に分散させ、歯軸方向へ力が伝わるようにすることで、より正しい歯の接触関係を保ちます。
歯周組織の安定をはかる治療法ですが、歯の動揺などの症状がみられない場合には、早期接触歯をすべて調整する必要はないです。
咬合調整の目的は、歯周組織に生じた咬合性外傷の改善を第一としているが、さらに顎関節症やブラキシズムの改善、歯冠修復後や矯正治療後の咬合の安定化、食片圧入の改善, 矯正治療を障害する早期接触の除去も含まれます。
歯冠形態修正とは”歯冠形態の不良により生じる外傷性咬合を除去および分散を目的に辺縁隆線や歯冠の頬舌径の修正、あるいは咬頭斜面、咬頭などの歯冠部形態の修正を行います。
これは早期接触が存在しなくても行うが、咬頭嵌合位の接触部は必ず保存し、 側方圧のかかる部分や広い面接触の部分を削合して、咬合力を軽減します。
しかし、歯の削合という行為は不可逆的な行為であることから、十分に咬合状態を検査した後、患者に必要性などを十分に説明し同意を得た後に適切な削合を行う必要があります。
また、口腔衛生状態の不良により歯周組織に炎症のある歯は、炎症に伴い歯が移動していることがあり、炎症の改善により正常な位置に戻ることがあります。したがって、炎症があるときには重度の外傷性咬合部のみ調整し、少なくともプラークコントロールなどにより、炎症が消退した後に精密な咬合調整を行います。

2) 暫間固定
暫間固定は咬合性外傷を咬合調整のみでは改善できない場合、歯の動揺が強くみられる場合、歯周組織が破壊されて二次性咬合性外傷を生じやすい場合に行います。
暫間固定は当該歯を周囲の歯と連結することにより、歯周組織に対する咬合圧の分散と安静をはかり咬合性外傷を改善したり、破壊的応力を避けるために行います。暫間固定は一定期間固定を行って歯周組織の変化を観察する目的で行います。歯の動揺などが著しく、咬合、咀嚼などの機能障害があるような場合には、早期に暫間固定を行い咀嚼機能の改善を行う必要があります。一般にはプラークコントロールによる歯肉の炎症の改善、および咬合調整によっても咬合の安定が得られない場合に行
います。また、歯周外科治療後の侵襲により一時的に歯の動揺が増加し、治癒に影響を及ぼすことが考えられる場合には、術前に暫間固定を行います。術後に歯周組織の安定および動揺の改善を待って固定を除去します。このように、暫間固定の時期 、期間、方法を決めるには、歯周組織の破壊の程度や広がり、歯列弓上での動揺歯の位置関係などを考慮する必要があります。

【暫間固定を行ううえでの注意事項】
① 暫間固定前後に咬合調整を十分に行います。
② 暫間固定装置が口腔衛生管理を阻害しないようにする。
③ 定期的な観察や管理が必要で、とくにプラークコントロールの状態、早期接触の有無、さらに固定装置の破損などのチェックを行います。
④十分な歯周組織の安定が得られた場合には暫間固定を除去し、その状態によって永久固定への移行を検討します。
暫間固定の術式は種々存在するが、固定部位にかかる咬合力に十分耐えうるような暫間固定法を選択します。

3).歯周治療用装置 (プロビジョナルレストレーション )
歯周病患者において欠損歯が存在するときや抜歯や不適合修復物、補綴装置の除去を行う症例では、歯周治療中に、まず咬合機能と審美性を回復するために、暫間的な補綴治療を行う場合があります。
これらの装置は、歯周治療中の咀嚼障害、審美障害を改善したり、残存歯への咬合力の負担を軽減する目的で製作するもので、歯周治療用装置とよばれ、義歯床形態あるいは冠 (クラウン) 形態の装置がある、不適合修復物・補綴装置が歯周病の発症に大きくかかわっている場合には、歯周基本治療中において、不適合修復物補綴装置を除去して、代わりに歯周治療用装置を装着することで歯周組織の安定をはかります。また、欠損歯が存在し咀嚼障害を引き起こしている場合、残存歯数の減少により二次性咬合性外傷を引き起こしている場合においても歯周基本治療中に歯周治療用装置を装着し、咀嚼、咬合の回復によって、歯周組織の安定をはかる必要があります。とくに治療が長期間に及ぶと予測される患者については、歯周治療を進めるうえで歯周治療用装置は重要であり、少なくとも歯周外科治療を行う前には歯周治療用装置の装着が行われている必要があります。

【歯周治療用装置の注意事項】
① 咬合や審美性の回復だけでなく口腔衛生管理が容易に行えるような形態に設計します。歯周治療用装置 (冠形態) は歯肉縁上マージンが歯周管理上望ましいです。また歯冠のオーバーカントゥアを避け、歯間ブラシが使用できるよう歯間空隙の大きさに注意します。
② 歯周治療用装置装着中の歯周組織の状態を十分に観察し、再発の危険のある部位の把握、適切な形態などを考慮し、最終補綴装置の設計に反映させます。
③ 歯周治療用装置の定期的な管理、すなわち調整、修理、および口腔衛生指導などを行います。

4).ブラキシズムの治療
ブラキシズムとは、咀嚼筋群が異常に緊張し、咀嚼、嚥下および発音などの機能的な運動と関係なく、非機能的に上下の歯を無意識にこすり合わせたり(グラインディング)、くいしばったり(クレンチング)、連続的にカチカチと咬み合わせる (タッピング) 習癖です。すなわち上下の歯の
間に食物がない状態で行われ、強い咬合力、とくに側方力が歯に加わるため、歯周組織に咬合性外傷を引き起こす危険性があります。歯周炎にブラキシズムによる咬合性外傷が合併すると病変が急速に進行し、短期間に重度の歯周炎へと発展しやすくなります。
治療はブラキシズムの原因と考えられる局所的因子 (早期接触などの咬合接触の異常) と全身的因子(精神的ストレスなど) を取り除くことが基本となります。
しかし、ブラキシズムの原因や成り立ちは十分に解明されておらず、個人差も大きく、治療がむずかしいのが現状です。そこでまず、原因となる早期接触部のみを削合する小範囲の咬合調整や、オクルーザルスプリント (歯ぎしりに対する咬合床) の装着を行って経過を観察します。最初から広範囲な咬合調整やオーラルリハビリテーションなどの不可逆的な治療を行うことは避けるべきです。
また、睡眠中のブラキシズムに対しては、就寝前にブラキシズムをしないことを自分に言い聞かせる自己暗示法を行うことがありますが、睡眠時ブラキシズムの原因には多くの因子が関連していると考えられ、現時点で睡眠時ブラキシズムを効果的に抑制できる定型的な治療法はありません。

5)矯正治療
プラークコントロールを妨げる歯の位置異常が存在する場合、あるいは歯列不正による咬合性外傷が明らかな場合には、 矯正治療を行うことで歯周治療の効果を高めることができます。 しかし、矯正治療が困難な歯槽骨の吸収が著しく進行した症例もあり、適応症を選んで行う必要があります。 矯正を行う時期は歯肉の炎症が改善され歯周組織の安定が得られていることが必須であり、基本的には歯周ポケットの除去が行われた後が望ましいです。歯列不正が細菌性プラークの蓄積の原因だからといって、歯周治療が不十分な早期に矯正治療を行うと、歯周組織の破壊を促進することもあります。また、矯正治療後の咬合調整は必須であり、最終的なバランスの取れた咬合状態を獲得することと、その後の経過観察が重要となります。矯正治療により歯列が改善されると、口腔衛生管理が容易となり、歯周組織の維持安定に効果的です。

監修者情報

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